開催日 | 2025年 3月17日(月)-3月30日(日) ※3月24日(月)は休館 月-土:9時から21時 日・祝:9時から17時 |
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会 場 | 御殿山生涯学習美術センター 1Fギャラリースペース |
入場料 | 無料 |
内 容 | 彫刻家 吉水快聞は2006年東京藝術大学美術学部彫刻科を卒業後、同大学大学院において文化財保存修復研究領域彫刻を専攻する。仏像彫刻を学ぶ中で特に快慶について興味を持ち、2011年同大学大学院博士課程において、東大寺俊乗堂像阿弥陀如来立像について造立された当初の姿を想定して再現する「東大寺俊乗堂像阿弥陀如来立像想定模刻」を完成させた。(はせがわ銀座ギャラリー展示)快慶については小林剛氏や毛利久氏等多くの先学により研究が行われてきたが、吉水快聞は木彫制作の経験から具体的な技法に関する研究を中心に行った。これまでの資料に記されていない詳細な部分を研究し木彫制作をすすめた研究作品の制作過程は、論文「快慶と快慶風の阿弥陀如来立像について━東大寺俊乗堂像の模刻制作と善光寺像の修復を通して━」にまとめられている。この論文の中で吉水は快慶の芸術性について、「快慶は絵画的な表現と写実性を見事に融合させた仏師である」と記している。
快慶は運慶と共によく知られる鎌倉時代に活躍した仏師であるが、仏像彫刻に派手さはなくただひたすらに佛を「再現」する事に専念した仏師であるという。 「快慶はおそらく、仏像を自身の「表現」として捉えるのではなく、あくまで「佛」と捉えて、その姿をこの世に再現(表現するのではなく)することに専念していたように感じます。ですから、誰もが凄いと思うような派手な衣文ではなく一見するとシンプルな造形になっていったりしたのではないかと思います(シンプルな方が難しいのですが・・)。金泥地に截金の技法をとっても、万人受けはしないと私は思います。金に金で模様を描かれてもよく見ないと分からないし、ほとんどの人にとってはそれにどれだけの技術と時間が集約されているか分からないわけです、しかし快慶にとってみればそれでいいわけです。佛の理想の姿に近づけばいいわけですから。」こうした快慶のひたむきな人間性の中に自身の進むべき道を見出したという。「技術というのは見せびらかすためのものではなく表現の為の手段に過ぎない。これが快慶の作品に触れて研究した中で私が感じことであり、とても大切にしていることです。」 日本の芸術はとりわけ仏教の中で発展してきた。2020年に 吉水が講演した枚方市マナビスト講座『仏教と芸術について』~仏像からアートへ~の中で、自身が大学院で文化財保存修復を通じ仏像の古典技術や技法を学びそれを自分自身の作品にどのように展開しているかをふり返りながら仏教と芸術の関係について語っている。 「現在私たちがイメージするいわゆる「芸術」という概念は比較的新しく、明治時代に東京美術学校が誕生し、江戸以来の絵師や仏師、職人らが教授として就任し西洋の概念と共に形作られてきたのである。しかし、人間は古来より言葉を話したり文字を書いたりするのと同じように、絵を描き造形物を作ってきた。初期のころはアニミズム的なモチーフを元に、宗教が誕生してからはその中で栄華を極めていく。 文化財保存修復師として日々仏像に向き合い「再現」する事をひたすらに続けていく中で、ふと自身の中にある別の創作意欲が沸き上がる。「作品制作に向き合う時はその作品の気持ちになって考えるようにしています。ネズミならネズミの気持ち、何を食べて今どんな気持ちで次に何をしようとしているのか、それをどうやって生み出してやろうか・・そういった時間を過ごすことが私にとって至福の時間です。」 吉水の作品は、人間以外の生物・無機的な物全てに魂が宿っているような喜びにあふれている。ネズミが寝ている花びらにも魂が宿っているような、まるで人の手のひらで起こさないように包み込む優しさが伝わってくる。 |
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作家プロフィール |
吉水快聞(巧匠堂/ 彫刻家 文化財保存修復師)
よしみずかいもん 1982年 奈良県の寺に生まれる。 2006年東京藝術大学美術学部彫刻科 卒業 2008年同大学大学院美術研究科 文化財保存学専攻 保存修復研究領域 彫刻 修了。 快慶の造り出した仏像に興味を持ち、同大学院後期博士課程において、奈良東大寺の快慶作阿弥陀如来立像の想定復元模刻研究を行う。 2011年博士課程修了。博士(文化財)号取得後、奈良県内に工房「巧匠堂」を構え文化財保存修復に携わる。 大正大学客員教授 龍谷大学非常勤講師 |
ポスター | 夢うつつ 吉水快聞展(PDFファイルが開きます。) |
主催 | 御殿山生涯学習美術センター (指定管理者:枚方まなびつながりプロジェクト) |
その他 | ・特別警報・暴風警報発令等の気象条件、その他の理由により開催を予告なく延期または中止する場合がございます。 ・開催中に記録用の写真撮影を行い、広報等に使用する場合がございます。予めご了承ください。 ・駐車スペースには限りがあります。出来るだけ公共の交通機関をご利用下さい。また。満車時は近隣の有料駐車場をご利用下さい。 |
お問い合わせ | ![]() |
050-7102-3135 開館時間:午前9時~午後9時まで(日曜、祝日は午後5時まで)休館日:毎月第4月曜日(祝日の場合は開館)、年末年始。 |
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