もくじ

●  読んだ本について
▼ 「たった40分で誰でも必ず小説が書ける超ショートショート講座 増補新装版」について / ▼ この本を選んだ理由 / ▼  感想

● 今回のアクション!~超ショートショート「執筆」に挑戦!~
▼ このアクションにした理由は? / ▼ 「田丸的」超ショートショートの定義 / ▼ 執筆してみた  / ▼ 感想

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今回の記事を書いた人について

読んだ本について




「たった40分で誰でも必ず小説が書ける超ショートショート講座 増補新装版」

著者/田丸雅智
版元/WAVE出版
ISBN978-4-866-21291-3

「たった40分で誰でも必ず小説が書ける超ショートショート講座 増補新装版」について

若手ショートショート作家の旗手である著者が、各地で開催する「超ショートショート講座」の内容をまとめたのがこの本。書くことの楽しさを知って筆が止まらなくなった人、夏休みの読書感想文の代わりにショートショートの宿題を出してほしいという小学生、完成した作品を文学賞へ応募して見事受賞された方まで。ふだん文章を書かない人でも、作文が苦手な方でも、「誰でも」「必ず」作品ができあがる田丸式メソッドと、実際に書いてみる「実践編」が紹介されています。


この本を選んだ理由

ある日、何となく見ていたテレビで、この田丸さんのショートショート講座を紹介していて、見る見る間に「作品」ができあがるのを見ました。いくつかの言葉を出して、組み合わせて、本人もびっくりする意外な方向へ話が展開する面白さ。
そこから田丸さんに興味を持ってショートショート作品をいくつか読み、私も書いてみたくなり、この「講座本」を読みました。
文章を書くのは、これまでやってきた仕事柄、それほど苦手意識はないものの、「小説を書く」となるとやはり身構えてしまうのが正直なところ。でもこのメソッドなら、もしかして私にも書けるかも!と思い・・・。


「たった40分で誰でも必ず小説が書ける超ショートショート講座 増補新装版」感想


ショートショートに「こうでなければならない」という決まりは全くない。自由さ、創作の喜びをもっともっと知ってほしい。自身の執筆に留まらず、ショートショートの創作講座や即興ライブなども積極的に開催する著者のエピソードも織り込んで「講座」の話が展開。
本当に書くことが好きなんだなあと伝わってくると同時に、講座を受けた人に「書いてみたい気持ち」を起こさせる才能がある作家さんだなあと感じました。

多くの作品に出会いたい、ショートショートを書く人がもっと増えてくれたらいいなという、著者の「ショートショート愛」が詰まった一冊です。




超ショートショート「執筆」に挑戦

このアクションにした理由は?

「本を選んだ理由」にも書いた通り、実際に「作品」を作ってみたく、いざ実践!

「田丸的」超ショートショートの定義

〇「田丸的」超ショートショートの定義 ショートショートの定義ははっきりとしたものがあるわけではないそうですが、一般的には、原稿用紙20枚程度以下のもので、新鮮なアイデア、完全な筋書き、意外な結末 の3つの条件を満たしていること。
この本では、

ショートショートとは、短くて不思議な物語のこと。
超ショートショートとは、もっともっと短くて、不思議な物語。

ショートショートを作るための3つのステップ【田丸メソッド】
・ステップ1:不思議な言葉をつくる
・ステップ2:不思議な言葉から想像を広げていく
・ステップ3:想像したことを短い物語にまとめる

そのために、思いつく言葉を出したり、組み合わせたりして、発想を広げていきます。
この、言葉を組み合わせたり、妄想?を広げたりするところが面白いのですが、ここではご紹介することができませんので、具体的な田丸メソッドは、本書をお読みください!

書いてみました、超ショートショート作品!


『お母さんのパッチワーク・カー』

 うちのお母さんは手づくりが得意で、昔から、私の洋服や家のカーテンなど、なんでも作ってきた。実は、家の車もお母さんの手づくりで、すべてパッチワークでできている。たくさん太陽光を当てれば「ほかほかエネルギー」が貯められ、元気にたくさん走る。(注:ソーラー発電車ではない)
 ほかほかエネルギーで走るので、いつも干したお布団のような匂いがする。その匂いが眠気を誘うので、運転中に眠くなりやすいのが難点といえば難点だが、パッチワークに詰めた綿(わた)で、もしぶつかってもクッション性があるので大丈夫、安全なのだ。
 ただし、余り生地でできているので、足りないところは別布でツギハギのパッチワークだ。ぶつかったりこすったりすると、破れて中の綿が出てしまう。でも、破れても、繕い名人のお母さんはまた、きれいに直すことができる。

 ある雨の日、お弁当を忘れて出た私の学校まで、お母さんが車でお弁当を届けてくれたとき、「事件」は起きた。
 私の高校は山の上に建っていて、校門から校舎まではかなり急な上り坂になっている。家から高校まで車で30分の道のりを走った上、この上り坂を上る途中で車は止まってしまった。そこで車を停めて、歩いて校舎まで上がってきたお母さんは、なんとかお昼休みに間に合ってお弁当を届けてくれた。
 実は、曇りや雨の日は、ほかほかエネルギーが足りず、パッチワーク・カーのパワーがダウンするので、遠出はおすすめできないのだ。おひさまのようなお母さんが運転するときだけは、お母さんからほかほかエネルギーが充填されるので、近所のスーパーくらいまでなら大丈夫だ。しかし、この日は、お母さんからのほかほかエネルギーも尽きてしまい、ついに車は止まってしまった。
 昼休み中、車のところまでヘトヘトのお母さんを送って行く間に雨は上がり、雲の間から日が差してきた。「エネルギー切れ」になっていたお母さんもパッチワーク・カーもほかほかエネルギーが満たされ、車の中で1つのお弁当を半分コで食べたあと、お母さんと車は元気にうちへ帰っていった。



感想




作品といえるほどの代物になったかどうかは疑問ですが、書いた本人はとても楽しかったです。
このショートショートを書く前に、言葉を出したり、そこから連想することに、また別の言葉を組み合わせたりして、「不思議な言葉」を作ってみたのですが、いろいろできて、どれをショートショートに膨らませるか迷いました。

お母さんに作ってもらった + 車 →
「お母さんに作ってもらった車」
夏物と冬物 + 先生 →「夏物と冬物の先生」
お気に入りの柄 + 地球 →「お気に入りの柄の地球」
着るとうきうきする + テレビ →「着るとうきうきするテレビ」

1つ目の「お母さんに作ってもらった車」が『お母さんのパッチワーク・カー』の元になりましたが、他の3つでも妄想が止まらず、ショートショート作品にしてみたい気持ちが続いています。
ショートショート執筆は、クセになります。長文の小説にするには、もっとしっかりした設定がいるとは思いますが、ショートショートは手軽に書けて、好き勝手な妄想を開放できる楽しさがあります。これからも時々、書いてみようと思った今回のチャレンジでした。皆さんもぜひ(^^♪


今回の記事を書いた人について




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菅原生涯学習市民センター 田崎

大学では生物学を学んだ「一応リケジョ」ながら、仕事では、販促企画や広報誌の編集・コピーライターを長くやってきた変わり種。菅原センター歴1年半。
趣味は洋裁、ゴスペル、マラソン。コロナ禍でゴスペルは長らくお休み中、オンラインで実施されるマラソン大会に絶賛はまり中の今年です。